かもがわ総研

ベトナムでもがく中間管理職です。営業、マーケ、法務、採用なんでもやってます。

中国仕入れ始めるってよ。

どーも。 最近ブログ更新についてのモチベーションが上がってきています。

昔からうっすらと自覚はありましたが、 考えるより先に体が動いてしまうタチで、 これおもしろいなと思ったことは片っ端から節操なくトライしてい きます。

このごろ新しいことにどんどんと挑戦しているので、 備忘録がてら文字にして残しておきたいと思い、 書くことがたくさん出てきます。

そんなこんなで最近仕事の関係でタオバオで、 中国から商品を買う機会がありアクセスが増えています。 タオバオとは中国のCtoC(消費者から消費者)の

ネット通販モールのことです。 アリババが運営していると言えばイメージはつくでしょうか。

以前までは中国の銀行口座を開設しなければ購入することができな かったのですが、 今となってはその状態は改善されクレジットカードがあれば買い物 が

できるようになっています。ただし配送の問題はまだあります。 私の買っている商品を扱うお店は海外発送に対応していないことが 多く、日本への配送は

承っていないと言われるケースがほとんどです。 タオバオに出店しているのは中国人なので、 チャットで質問する時も中国語で話しかけるのですが、

中国人と直接商売のやりとりをすると中国語が磨かれますね。 辞書を引き引き、つたない中国語でやりとりしています。 本当に生きた中国語を実際に

使いながら学べるので、 語学の一番の上達方法はやはり実践で使うことに他ならないのだな と痛感した次第です。

 

そこでせっかくタオバオでアカウントを作ったのだし、 将来輸出する時(本当にあるかは分からない) に備えて銀行口座も作っておくかと思い調べました。

すると、昨今中国で流行りのAlipayやWechatpay( スマホQRコードでの決済システム) のアカウントを作成するにも中国の銀行の口座を紐付ける必要

があるということが分かりました。

電子決済はいまや中国の飲食店・買物・カーシェア・ 公共交通機関などで幅広く普及していて、 杭州武漢などは浸透率が高くキャッシュレス社会となっています 。

中国で滞在するには現金ではむしろ不便かもしれません。 嘘か本当かは分かりませんが、 ツイッターではお賽銭や結婚式の祝儀まで電子決済で支払っている なんて話

も聞きます。良くも悪くも中国らしくて私は好きです。 中国へ輸出していくならどのみち将来必要になるのだし、 この際電子決済のアカウントも取っておくか

ということで、銀行口座開設のためだけに中国(上海) へ行くことになりました。 学生時代によく中国には旅行で行っていた経験から、 中国へのチケットはなぜか

安くはありません。 むしろ上海より距離的には遠いはずの台湾やタイ( ピーク期外せば)の方が安く行けた記憶があります。

スカイスキャナーでいろんな航空会社をあたって探しましたが、 往復合計で35,000円ほどになります。台北桃園着なら1万円 台で買えますよね。なんなら羽田-関空

往復(ANA)でこれくらいのお金が飛んでしまいます。 どうかしてるぜ。

 

中国ECについてはあーそんなことも起こってるんだ程度のスタン スでしたが、今年の初めに会社のツテで中国への越境EC( 日本の商品をネット通販で中国へ売ること)

のセミナーに参加させていただいたことから興味を持ち始めました 。東日本大震災以降、 日本の食品などは敬遠されている傾向がありますが、 化粧品や日用品

(紙おむつ)、美容機器などで高い人気を得ています。そして、 中国でのマーケティングではKOL(Key Opinion Leader、ネットで影響力のある人、网红とも)

と呼ばれる人たちの「口コミ」 が売上の命運を握っているということが目から鱗が落ちる思いでし た。日本ではそれは「ステルスマーケティングステマ)」 と呼ばれ

あまり歓迎されません。 以前にも数多の芸能人がネットで叩かれていますからね。中国越境 ECで成功を収めている日本企業はこのKOLに対して日本や中国 で体験会を

開き、広く意見を募ることで評判を拡散していきました。 今後はこの越境ECで売り上げを拡大している企業が「越境EC銘 柄」として株価が上がっていくと思われます。

近年はインバウンドの爆買いが影をひそめていますが、 以前の旅行で欲しいものはある程度揃って今度はモノからコト消費 に来てくれているのに、日用品などはよっこらしょと

重たい思いをして持ち帰るよりも帰国してから買いたいだろうとい う中国の消費者の気持ちは変わるので、 そりゃ当然だろうと思いです。むしろぼくからすれば、店頭で

中国語で対応する必要が減り、 ネットでの販促に注力すれば売上を伸ばせるようになるので、 むしろインバウンドで稼いでいた企業には追い風なのではと考えて います。

 

中国への輸出する商材については今後検討していく予定であります が、輸出を始めるに際して直近のハードルとして「 中国へ渡航して現地の銀行口座を開設する」ということ

が挙げられますが、その次には販促活動をどうするか、 デリバリー(配送)の時間は大丈夫かということですね。 注文してからあまりに遅いと評判が下がります。

以前NHKスペシャルで中国のネット通販に深く切り込んでいまし たが、中国のネット通販では消費者からの評判が命だそうです。 良い評判が付けば出品できる数量も増えるし、

一定以上の評判がなければ買わないという消費者もいて、 値引きをする見返りに良い評判を付けてもらう商売のやり方も同番 組では紹介されていました。

どんどん市場規模が拡大している中国のネット通販市場ですが、 新規参入者も多く、競争が激化しています。 夢破れて廃業に追い込まれる人もいます。あたかもバブルの

ような状態で浮かれているのかと思いきや、 暗い部分の印象も大きかったです。 光あるところには影もまた存在するということでしょうか。

 

まだ先週思い付きで開始した段階ですので、 進捗があり次第状況をアップデートしていきたいと思います。

 

To be continued.

 

【読後感想】あきらとアキラ【池井戸潤】

 

アキラとあきら (徳間文庫)

アキラとあきら (徳間文庫)

 

 

 

アキラとあきら (徳間文庫)

アキラとあきら (徳間文庫)

 

 池井戸潤さんの作品は好きだ。学生時代に「オレたちバブル入行組」で初めて池井戸作品に出会って以来、10作以上は読んでいる。

 

池井戸作品の特徴といえば、

・序盤から必ず絶望的な状況に追い込まれる主人公

・しかしそれにもめげず仲間たちと結束して最後にはひっくり返してしまう勧善懲悪のストーリー構成

・悪い奴らの中にも自分たちのやっていることに対して迷いがあり、主人公の人柄に心打たれて仲間に入る

などが多くの作品に共通する。

 

また、著者が作家になる以前はメガバンクで勤務していたこともあって、銀行がよく登場する。

もともと銀行のことを隅々まで知り尽くしているだけあって、銀行という組織の悪い側面がとてもよく描写されている。

 

「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げるビジネス」というセリフはディテールを細かく変えてはあるが、多くの作品に登場する。(そのため、銀行はたいてい悪役として出てくるが、ときたま悪役だとしてもかわいそうに思うくらいこき下ろされているときもある。。)

 

さて、本題に入ろう。

 

こちらはそんな池井戸作品の最新作。ぼくは持ち物の削減を進める一環で、本はなるべくキンドルで買うようにしている。

 

この作品、町工場の息子と大手海運会社の御曹司と、対照的な境遇で生まれ育ってきた同い年のふたりの物語なので、題名がそのまま内容を表しているとも言える。

 

序盤では零細企業の息子・瑛(あきら)と、東海郵船の御曹司・彬(あきら)の物語は個別に進んで行く。

 

父親の工場が倒産し、借金取りに追われ転校せざるを得ない苦難の人生を歩む瑛と、東海郵船という大手企業の社長の息子という階堂彬はまるで正反対の人物として描かれている。

 

ぼくは主人公の瑛でなく、むしろ階堂彬の方に共感するところが多かった。

 

東海郵船ほどの企業ではもちろんないが、ぼく自身も中小企業の経営者を父に持っており、小さい頃から将来的には会社を継ぐようにとなにかにつけて言われて育った。

 

子供ながらに周りの友達の家庭よりは裕福な生活ができていたと思ってはいたが、父の経営する会社に入ろうとはまったく思えなかった。その理由は

・朝7時に家を出て、夜11時ごろに帰ってくる生活の繰り返し

・平日だけでなく土曜も当たり前のように仕事

・本人は仕事の虫のためそれを当たり前だと思っている

というように、ハードワークな父が理解できなかったことが大きい。あまりにワーカホリックな父のため、一緒に遊んだ記憶もあまり残っていない。

 

まだまだ書けそうだが、いよいよ本格的に脱線してしまうので本題に戻るが

 

階堂彬も、社長を務める父とそれぞれグループ会社のトップである二人の弟との諍いを間近で見ていて会社を継ぐことに嫌気が差していた。

 

その後の展開は実際に読んでもらえればと思うのだけれど、個人的な感想を言うと、瑛と彬が交わる場面はそんなになかったような気がする。

 

クライマックスでは傾いた会社と、それに融資を通すべく稟議に奔走するバンカーという協力関係はできていたが、もっとガッツリ(敵同士としてとか)やりあうのかと思っていたので、そこは少し残念だった。

 

この階堂家の登場人物から学べるのは、変なプライドというものが如何に適切な意思決定を妨げるかということ。

 

負けたくない、自分のことを認めさせたい、負けたということを認めたくないという気持ちが強すぎて、空回りしてしまう。

 

兄と比べられ続ける人生で見返してやる機会を伺っていた弟龍馬、自らの失策の穴埋めのために未熟な竜馬を担ぎ出し、結果的に潰してしまった叔父たち。

 

負けず嫌いは経営者に必要な資質ではあるけれども、同族会社ということで抑制もまったく効かなかったという点が怖いところでもある。

 

ちなみに野暮な疑問だが、物語の最後に瑛が高校のときに転校してしまった亜衣と結婚して子供までできてたんだけど、どんな経緯があったんだろうね。

 

まあ細かいことはいいか。

 

終わり

ディカプリオの新たな魅力に気づくアフリカが舞台の「ブラッドダイヤモンド」

www.youtube.com

 

別に特段新しい映画でもないのだけれど。。2006年公開の映画。

 

この前友達に教えてもらった映画。この時はちょうど、タンザニアでの中古自動車販売やケニアでのサイザル麻などいろいろと調べていて、アフリカに対する興味が高まっていた。

 

豊富な天然資源が眠っており、人口の爆発的な伸びが期待され、最後のフロンティアとも言われるアフリカ大陸。明るい見通しがなされる一方で、その天然資源をめぐって繰り返される内戦、歴史的に欧州諸国から搾取、蹂躙されてきた負の一面も持つ。

 

高校や大学で通りいっぺんのことは勉強してきたつもりだったけれど、この映画を見るとそれはまだまだ表面的な理解でしかないと思い知らされる。

 

この映画で主人公を務めるディカプリオは、ぼくがこれまで見てきた「ウルフオブウォール・ストリート」や「華麗なるギャツビー」などキレイめな(コカインをキメて職場でセックスするのはキレイめとは言えないか)役どころのイメージとは異なる。元傭兵でダイヤモンドの密輸業者という、リアリストでダーティなイメージと言える。

 

こんな、本来悪役で登場させるのが筋であろう役をディカプリオに主役としてやらせていたことで、物語の序盤ではまったく感情移入ができなかった。むしろ、息子を救うため自らも危険に晒すことも厭わない助演のソロモンの方が主人公に向いているのではと思った。

 

ソロモンや物語の紅一点のマディーでさえも利用しようとしているところから印象が変わったのは、コッツィ大佐のキャンプでこれから先、ダイヤを取り戻しに行く危険な道中にマディを巻き込まず安全に帰れる飛行機に乗れるようにしてあげたところ。

 

マディも泣く泣く了承して、電話番号を渡し再会を誓う。

 

そして、コッツィ大佐を倒して脱出の飛行機のところまでもう少しというところでダニー自身も被弾していたため動けなくなり万事休す。命がけで手に入れた巨大カラットのダイヤ原石をソロモンに託す。

 

序盤ではマディもソロモンも利用しようという考えしかなく、被弾さえしていなければソロモンも最後に出し抜いていたであろうが、自分を犠牲にしてソロモンとその息子ディアを逃す。最後にエエ奴になりやがったな!と。思わずここは目頭がジーンとなった。

 

映画のエピローグに、今は平和になってはいるが依然としてアフリカには20万人の少年兵がいることもまた事実で今もなお戦っているということだった。

 

我々人類の祖先が誕生した神秘的なアフリカで、豊富な天然資源に恵まれながら発展することができずにいる。むしろ今の先進国を見てみると資源に恵まれているからこそしがらみが発生し経済成長の足かせとなってしまうのかもしれない。

 

観終わったあとにこの映画のキャッチコピーを知った。

「自由」「家族」「真実」彼らはダイヤにそれぞれ違う輝きを見た。

 

ダイヤの密輸から足を洗いアフリカを脱出したいダニー、家族を取り戻したいがために協力するソロモン、紛争ダイヤの真実を解き明かしたいマディ。

 

まさにこのフレーズがこの映画の中で、異なる目的を持ちながら図らずも同じダイヤを巡ってこの三人が交錯することになる物語の核心が含まれていた。このキャッチコピーつけた人って天才的だなあと思わずにはいられなかった。

【バーニングオーシャン】安全をないがしろにした人間の浅ましさとド迫力の救出劇

burningocean.jp

公開から1日遅れで見てきました。

 

実のところ、劇場版コナンの上映前の予告で初めてこの映画を知った。

 

でもこの事件はよく覚えてる。2010年4月20日に起こった事件だから、大学2年になりたてのころ。

 

メキシコ湾に流出した原油で海が燃えているところや原油をまともに浴びて真っ黒に染まる鳥のニュースを何度となく見た記憶がある。

 

この事件を起こしたBP社も天文学的な賠償金を支払っており、あまりに巨大な規模で現実味が全く感じられなかった。

 

そこからほぼちょうど7年の時を経て実話をもとに映画化。きっと制作側もこの日に公開しようとしていたんだろう。

 

主演のマークウォルバーグはどこかで見たことがあると思ったら、トランスフォーマーらしい。あれと思ってググるとテッドの俳優さんだった。テッドの方がしっくりくるけどなあ。

 

この映画は見ていて本当に怖かった。コーラが噴き出す場面など、序盤から事故を予感させる演出ばかり。

 

事故現場であるディープウォーターホライゾンに到着してからも安全検査が終わっていないことがわかって以降BP本社側と作業請負会社側で揉める。

 

最初に原油が吹き出してくる直前の雰囲気で背筋がゾッと寒くなった。

 

セリフは少なかったがとてつもなく恐ろしい事態が迫ってきていると伝えるには十分な情報量だった。

 

原油が逆流して、あまりの圧力に作業員たちが半ペラの紙のごとく吹き飛ばされる。

 

吹き出し続ける原油はついにエンジン室に引火、大爆発を起こす。

 

この後の展開はぜひとも劇場で見てもらいたいが、ぼくは正直恐ろしくてもう一度見たいとは思わない。

 

映画のクオリティが低いからではなく、あまりにリアルに描き切っているから。

 

ちなみにこの事故の後のことはあまり触れられていないが、裁判に臨むマイクに対して亡くなった作業員の家族が食ってかかる場面はとても心が痛んだ。

 

マイクは自分の命も顧みず果敢に施設に入ってゆき、全員とまではいかなかったが多くの作業員の命を救った。そのことは無条件に賞賛されるべきと思う。

 

マイクの「なぜ自分は生きて帰ってきてしまったのか」と自分を責め涙する姿は痛々しかった。

 

エンドロールにて、原油の掘削を強行したBP管理職ヴィドリンは事故後、故殺罪にて起訴されたということだ。

 

工期の遅れをとり戻すべく安全テストやそのコストを軽んじた結果、

 

BP社は安全テストの比較にならないほどの賠償金を支払う羽目になっただけでなく、

 

ヴィドリン自身もクビが飛ぶだけで済めば良かったが、11人の作業員を死なせたとして有罪になった。

 

急がば回れ」とはあまりに月並みな言い方だが、ヴィドリンと同じビジネスマンとしては肝に命じておきたい。

 

 

【夜は短し歩けよ乙女】全てはここから始まった。ぼくを小説の世界に引き込んだ記念碑的作品の映像化

kurokaminootome.com

その作品との出会いは突然やってきた。ぼくは20歳までは活字は本当に苦手で小説など読みはしなかったが、大学の書店で見かけたそれは数ある作品の中で異彩を放っていた。

 

夜は短し歩けよ乙女」。なんだこの名前は。と思った次の瞬間にはすでに会計を済ませてしまっていた。名前の語感が良かったという理由だけで買ってしまった。裏側のあらすじはまったく読まなかった。

 

 活字嫌いなぼくではあったが、貪るように読んだ。森見登美彦の文章が一発で気に入り、文字だけでこんなに笑わせられるという体験が初めてで、新しい世界の扉が開けたような気がした。今振り返ってみればあの瞬間がわりと自分の人生のターニングポイントだったりする。人生何が起こるかわからないものだ。

 

この映画も「こうして出逢ったのも、何かのご縁。」というキャッチコピーがつけられていて、物語全体を貫くテーマとなっている。先斗町をさまよう乙女が東堂さん、樋口さん、羽貫さん、李白さんなどいろんな人たちと出会う。ここで「いやあなたのことよく知らないし。。。」などといってしまってはオモチロイ展開など生まれるはずもない。

 

書いていて思い出したが、ぼく自身も大学時代は色々な人との出会いをとても大切にしていたし、フットワーク軽く誘いがあればどこへでも飛んで行った。飲み会で友達の友達とつながることはとても楽しかったし、ぼくも積極的に友達を紹介していた。鴨川で外国人が盛り上がっていたら、ヘイ〜と絡みにいったりもした。鴨川でできた思い出とは大半がそうしたご縁によるものだった。

 

この映画の中で一番好きな場面は、乙女が東堂の借金の肩代わりを賭けて李白と偽電気ブランの飲み比べをするところだが、小説でもこの場面はドキドキしながら読んでいた。文字しかない情報から頭の中で映像を組み立てて読んでいたものが映像化され、まさに自分が想像していた通りに描写されていたので嬉しかった。

 

個人的に最も愛着のある作品だからこそ言えることでもあるが、この作品(ひいては森見登美彦の作品全般)は見る人を選ぶ。舞台が京都なだけに、土地勘のない人にはまったく分からないだろうから、関東の人にはあまり受けないんじゃないかと思う。またこの作品は物語の起承転結がはっきりしているものでもなく、わりと淡々と進んで行くので、ストーリーを楽しみたい人とも好みが別れることになると思う。

 

それでは詰まるところ、この作品は何がオモチロイのか?分かるひとにしか分からないから面白いのだと思う。京都を知らない人には本当に分からないが、京都、特に鴨川・木屋町先斗町界隈で過ごしたことのある人(京都で学生やってた人というと手っ取り早いか)が、あー懐かしいなココ!とかおれこの店で飲んだことあるよ!などと自分の思い出と重ね合わせて見ることができるところが面白いのではないかと思う。

 

さあ映画ももう終わりだなと思ったところで、最後にさらに嬉しいことが待っていた。エンドロールに入っても観客が誰一人として席を立たない。今まで見てきた経験から言えばここの劇場なら半分くらいはエンドロールに入った時点で出て行ってしまう。みんなアジカンの主題歌を聴きながら余韻に浸っているんだろうか、この作品に少なからず思い入れのある人たちばかりに囲まれて観れたことで、この上なくいい気分で劇場を後にすることができた。

 

さっきこの作品は関東の人にはあまり受けないと書いたけれど、やっぱり小説や映画は見るだけじゃなくて他の人と感想を語り合うものだと思うから、ぜひ森見作品が好きな人とお酒を酌み交わしながら話ができたらいいなと思う。

人と語り合うために、一人になって小説や映画を嗜むって逆説的でおもしろいけどね。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
 

 

弾丸関西出張

先週の話になるけれど、関西に出張した。久しぶりの関西出張でけっこう前から楽しみにしていた。中でも大学時代を過ごした京都に戻れることがとても嬉しかった。

 

日程はかなりタイトだった。月曜有休とって火曜に大阪→和歌山→京都を車で爆走した。レンタカー使用届は303キロ走行と書いてあって、上司と笑った。

 

休みをもらった月曜の昼は京都を散策。まずは鴨川にご挨拶。もうすぐ公開の「夜は短し歩けよ乙女」の舞台だしね。

 

ランニングするおじさん、スタバで商談するビジネスマン、いちゃこくカップル、ダンスを撮影するユーチューバー、ごろりと寝転んで読書する大学生などそれぞれが思い思いの時間を過ごす。

 

本当にここでどれだけの思い出ができたか知れない。母なる鴨川。ここで過ごすときの幸福度はやばい。

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三条ローソン横の桜ももうすぐといったところ。とても綺麗で目に良い。スタバでほうじ茶ラテを買って、鴨川で人間観察をしながら自分の大学生活に想いを馳せる。川の流れが耳に心地よい。

 

夜には東大阪に住む友人宅に泊めてもらった。本当に大学にできた友達は尊い。大切にしていてよかったと思える瞬間だと感じる。

 

昨年から彼はサックスにご執心だそうだ。この前ブルージャイアントというとにかくアツい漫画を紹介され、案の定感化されてしまい、Kindleでまとめ買いしてしまった。

 

彼自慢のアルトサックスも吹かせてもらった。最初がなかなか難しいが10分ほどでなんとか音は出るように。1時間くらいやってサックスでチャルメラは吹けるようになったが。笑すぐ忘れるだろうね。

 

いろんなことを語り合って、就寝。泊まりにいくとじっくりと話す時間ができてより仲良くなれるから泊まりにいくことは好きだ。

 

翌朝はただただ慌ただしい日だった。中国のサプライヤーの人間も同乗して運転しながらどんな話に持って行こうかと商談の構成を考えまくって、会社に着いたらひたすら喋りまくる。

 

英語と日本語の二刀流で余計に疲れたが、クライマックスの京都駅伊勢丹で予約した会食は格別だった。

 
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京都駅の写真は学生時代に何十回と撮ってきたけど、何回見ても飽きない。将来はやっぱりここで暮らすべきだなあと感じる。

 

もたもたしていると終電がなくなるので、後ろ髪引かれる思い出帰京。また必ず戻ってくると心に誓った。

 

将来は通訳案内士になりたいなあなんて漠然と思っている。アルファードに台湾とか香港の家族とか乗せてあれは〜寺やねん!この名前は〜という由来があるんやで!とか説明して付きっ切りでディープな京都を案内したいな。

 

折しも訪日外国人数は政府計画を前倒しで2140万人(2016年)を突破。2020年までには4000万人に到達するとか息巻いている。

 

通訳案内士の資格も取らなきゃいけないし、京都検定も箔を付ける意味で撮っておいたほうがいいだろうね。道は険しい。