かもがわ総研

ベトナムでもがく中間管理職です。営業、マーケ、法務、採用なんでもやってます。

メルカリで売ることを前提とした商品開発が増えていくのかなって思った話

今日もいつものようにゆうゆうメルカリ便で発送してたら、この品物はお受けできません、と言われてしまった。

曰く厚みが3センチに収まらないためということでしたが、これまでは問題なく発送できていました。

いつもと違うことは受付のスタッフだけ。3センチを測るスケールに無理やり詰めたら通ったので発送してもらえた。

 

この件で思い出したのだけれど、メルカリを始めたての頃、関西出張に行くたびに関西限定のお土産を買ってきては出品していました。

販売場所が限定されているのでけっこう利益が取れるだろうと思ったのですが、どれもこれもゆうゆうメルカリ便の厚み制限に引っかかって発送することができませんでした。

すでに購入されたあとだったので非常に焦りました。結局箱から取り出して中身だけ送ることで合意してもらいましたが、

発送期限までに走り回った手間なども含めて高い勉強代となりました。

 

そして昨年中国に行った時、成田空港の手荷物検査で当時使っていたリキッドワックスが取り上げられてしまいました。

持ち込み制限の量をわずかに超えてしまい、1800円ほどするものでしたが泣く泣くその場でバイバイしました。

このワックスはぼくの硬い髪にとても馴染んでいたのですが、もう海外に行く時には持っていくことはできません。

 

このお菓子とリキッドワックスのふたつについて思ったのは、とても価値のあるものなのに

サイズが合わないがために僕以外にも購入者を逃してしまう可能性があるのはもったいないなぁということです。

外箱をあともう少し厚みを抑えて作ることができれば、転売目的であれ売上は上がるでしょう。

メルカリでものを売り買いする人はメルカリ等のフリマサイトで販売することを前提にして購入しているという分析があります。ソースは下記ですがすでに削除されてしまっています。

news.livedoor.com

最初から他人に販売することを前提にしているということは、10,000円で購入する時、例えば6,000円の相場で売れるとすると、実質4,000円で購入できることになります。

販売することまで考慮してプライシングすることで、小売店側としても多少高いものでも売れるというメリットができるというわけです。

 

そして、ボディソープやワックスなども旅行や出張では必須のものです。いつも使い慣れたものを持っていければそれに越したことはないはずです。

海外旅行用に100ml以下の容量のラインナップを作れば少なくともそのブランドからの顧客離れは防ぐことは可能になります。

ここまで考えていて、メルカリ転売を前提にして全ての商品をゆうゆうメルカリ便にや宅急便コンパクトに入るサイズに絞った商品を売るブランドとか出てきても不思議じゃないと思いますけどね。

「ゆうゆうメルカリ便に入ります!」とか「飛行機の手荷物に持ち込み可能!」とかマーケティングの謳い文句にもなりますしね。

そういう商品が増えてきたらいいなあと思いました。

3Dプリンタが普及した場合の影響は物流面がデカいと思う

 

NPでまたおもしろい特集が始まってる。

 

この記事は有料会員しか見れないのでできるだけ短く説明すると、

3Dプリンタはこれまで製造業においては、主としてプロトタイピング(試作)段階において用いられてきた。高価な金型を試作のたびに準備していてはとんでもないコストがかかってしまう。そこで必ずしも量産まで進めるとは限らない試作段階では3Dプリンタで金型なしでとりあえずモックアップを作ってみるということが一般的になってきている。

しかしながらこの3Dプリンタは本番の量産ではほとんど用いられていない。なぜかというと3Dプリンタで作ったものは強度が不足するからだ。一般的な3Dプリンタでは2D(平面)の層を何回もひたすら積層させて3Dを形作っていく。そこでそのたくさん積層された2D同士の間は接着されているという状態になるため、大きな負荷がかかると外れてしまうのだ。

この問題に取り組んだのが、本記事で紹介されているシリコンバレーユニコーン、カーボン社ジョゼフCEOである。

ジョゼフ氏はこの2Dを重ねていくのとは別のアプローチで強度の問題を解決する。そのヒントになったのはなんと映画。ターミネーター2のT-1000が液体金属となって自在に形を変えているところに着想を得て、「層を重ねる」のではなく「なめらかに連続的に」作るという方法を思いつく。

3Dプリンタで用いられる樹脂には大きく分けて光で固まる樹脂と、熱で固まる樹脂があり、それぞれは昔からある材料ではあった。

しかしジョゼフ氏は、どちらを選んで使うかではなく両方を組み合わせて使うという発想でそれまでの常識を打ち破る強度を持たせることに成功する。

そしてアディダスでは、通常ソールの試作には1年半の間に5-6パターンしか作成することができなかったが、3Dプリンタを活用してからは半年で50パターンも作ることに成功している。製品開発が30倍のスピードになった。

他にも3Dプリンタでのものづくりは金型にはできない複雑なデザインが可能になるし、金型を用意する必要がなくなるので短納期で納めることができるようになる。

 

この3Dプリンタ技術、要はオフィスのワードみたいなものだと思っていて、データさえ用意すれば3Dプリンタを置いてあるところなら世界のどこででも即座に生産にとりかかることができるようになる。

現状の3Dプリンタには強度の問題や生産コストが合わないなど色々なハードルがあるkれど、もしこれが普及したら物流業界が真っ先に割りを食うと思う。データ送りゃ生産できるようになるもん。

従来のものづくりでは、設計のあと原料を手配して工場まで船で送ってドカンと作る。そしてできあがった製品をまた船に乗せて消費地まで運んでいく。製品価格にはこの物流費用ももちろん乗っけられているのだ。

その点、双日はさすがだなと思った。3Dプリンタが普及したらもう商社いらないじゃんとなってしまうとも限らない。その前に3Dプリンタを持つメーカーと組んで、市場開拓や販売を担うことで自分たちの役割を作りだした。

www.nikkei.com

思えば、データ化が進むごとに貿易の量ってどんどん減少していくんじゃないのかな。これまでもこれからも。

紙の本は電子書籍になり、色んなゲームやソフトウェアはディスクに焼き付けたものからデータで販売するようになったし、写真の記録媒体もクラウドになりフィルムもメモリーカードも使わなくなった。

金型メーカーもそうだけど、物流業界も危機的な状況になっていくのかも。

37歳で糖尿病になり、30キロ激痩せした人の話

引っ越し先の物件見学で仲介屋を数件訪問して検討しているところなんだけれど、仲介屋という場所は本当に人種のるつぼだ。いろんな人間がいる。

俳優志望だがまったく俳優に見えない男(第一印象は引きこもり)、日本語があまりお上手ではない中国人カップル(敷金、礼金の説明すら困難な状態)、東北弁丸出しの夫婦(何を話しているのか本当に分からない)etc.

物件の写真を見ながらこれらの人々の会話を聞いていると実に様々な人間模様が垣間見えるので、ぼくみたいな好奇心旺盛な人間にはいい暇つぶしスポットになるということを発見した。

 

仲介屋の兄ちゃんもなかなかおもしろい人だった。短髪小太りでいかにも下世話なことが好きそうな感じだった。物件見学はこの兄ちゃんの車の運転で行くので、車の中ではお店の中とは打って変わってぶっちゃけた話もたくさん聞くことができた。

「兄ちゃん」とは言ったが、実際には37歳、見た目が若かったが、兄ちゃんという年齢ではない。

仲介屋の人がどんな物件に住んでいるんだろうという不意に思いついた疑問をぶつけてみた。

仲介屋やってるくらいだからまず条件の良いところに住んでいるんだろうなと思っていたら、1Kの3万円台の部屋というから驚いた。ぼくが見ているエリアはメトロとJRが乗り入れるところで都心まではおよそ20分といったところだ。仲介屋の兄ちゃんはそこから1駅しか離れていないロケーションで暮らしている。ただし、間取りは通常の1K以上に狭く、築年数もけっこう経っている。バストイレもセパレートではない。

彼いわく、普段の生活は仕事と飲みの繰り返しでほとんど家に帰らないので、シャワー浴びて寝る場所があれば十分という価値観らしい。そこまで判断基準がハッキリしているのもうらやましく思えてくる。

とにかく尋常ではない量の酒を飲むらしく、37歳で糖尿病を発症、即入院となった。健康診断の項目の一つに尿酸値という、血液に含まれる尿酸を測る項目があるが、男女ともに7.0mg/dLが正常な数値とされている。しかしこの兄ちゃんは一時50mg/dLという驚異的な記録をたたき出した。圧倒的尿酸値。

入院して強制的に食生活を変えてからは103キロあった体重がみるみるうちに69キロにまで減少した。103キロもあった人に対して松屋のレディース牛丼みたいな量の食事しか与えられなかったため、いつもおなかが空いて仕方がなかったそうだが、命がかかっている場面では致し方ないのかもしれない。

ぼくもけっこう飲める方だとは自認しているが、それでもこの兄ちゃんの酒量は図抜けている。仕事→飲み会→寝るというライフスタイルからはぼくはもう足を洗ったものの、こういう生活を未だに送っている人は多い。

お酒が大好きで飲み会が趣味というライフスタイルがあるのもぼくはいいと思うし、決して否定はしないけれど、ぼく自身はもうこの生活には戻れない。

大人同士が親交を深めるとなるとお酒の場くらいしかなくなるのは日本社会の大きな欠陥だと思う。すた丼でもドトールでもいいと思うんだけどね。

中国語やってそうな人だなと思ったら案の定アタリだった話

会社の同じフロアで働いていて、違う本部の若手の人がいる。

 

直接の面識はないが、行動パターンが似ているのか、出社時のエレベーターホールや休憩スペース、タバコ部屋などで頻繁に顔を合わせる。

 

お互い顔は知っているが、話したことはないという気まずいパターンだ。

 

そんな彼が中国語で電話しているところを目撃した。とても流暢な中国語だった。

 

彼が中国語を話すのをみたとき思ったのは、やっぱりなという感想だった。

たぶんこの人は中国語話すだろうという予感みたいなものがした。

 

中国語を勉強していると、同じく中国語を話す人がそれとなく分かるときがある。

日本人で中国語を勉強するような人は(良い意味で)変わっている人が多いのだ。

 

今は分からないけれど、キャッシュレス化が浸透する前は中国語を学ぶ人なんて少なかった。大学の第二外国語ではみんなだいたいドイツ語、フランス語、スペイン語あたり。

中国語、しかも第二外国語を超えて留学などを含めて勉強しようと思う人は当時レアキャラだった。

 

そんなレアキャラに囲まれて中国語を勉強している中で、中国語を勉強している人共通の特徴に気づいた。

  1. どちらかというと陰キャ層。
  2. 三国志、キングダム、水滸伝項羽と劉邦などが入り口
  3. どちらかというと空気読むのは苦手
  4. お酒は苦手

英語圏に留学する人はいろんな人がいるのでこれといった特徴は挙げづらいが、中国語はハッキリしていておもしろい。

 

4は、中国の(特に北方の)人は水のように飲める人が多いので、お酒飲めますよとおおっぴらに言わないだけかもしれない。ただ飲むとすぐに赤くなる人も多いという印象。

どちらかというとあまりコミュニケーションというかウェットな人間関係が得意でない人が多い気がする。

しかしその分、何か一つのことに特化していて一家言あるという人は多い。

 

ぼくはそういう中国語を勉強している人が好きだ。竹を割ったようなというかさっぱりした人が多いし、細かいことは気にしない。裏表がないのもいいところだと思う。

 

 今まで接点がなかった彼にも、話しかける口実のようなものができたので、今度思い切って話しかけてみようかな。

魑魅魍魎!ヤフオクに一歩踏み入れたら早速ナイジェリア詐欺に引っかかりそうになった話

 

 

何か新しいことを始めることは、自分の知らない世界に踏み込むことだ。その世界で常識になっていることを知らないばかりに、予期しないトラブルに巻き込まれたり、思わぬ寄り道を余儀なくされることもある。

そういうときは、授業料もしくは入場料だと割り切ってしまいさっさと次に進んでいくしかないと思っている。どうせ避けられないことに悩んでいても仕方がない。

 

 

チャンスはピンチの後にやってくるってマクドのJKが言ってた通りの展開になったぜ。と、思ったら、

ピンチに次ぐピンチである。

グローバルビジネス(ヤフオク)というのはまことに魑魅魍魎が跋扈する世界である。

 

ナイジェリア詐欺というのは、「あなたの品物に興味があり、ナイジェリアに住む知人のために買いたい」と言って品物を送らせ、入金せずにトンズラするという詐欺である。

送り先がナイジェリアなので「ナイジェリア詐欺」と呼ばれているが、もっと何かほかにあるだろという感じがしないでもない。

ぼくの場合は、US在住の親がナイジェリアに住むいとこにプレゼントしたいということだった。いや新品買ったれよwとか、いやそっちで買って送ればいいやんw(出品していたものがBOSEのイヤフォンなのでわざわざ日本から買う意味がない)とか今思えばどの角度からでもツッコめる言い分だったのだが。

長らく塩漬けになっていたイヤフォンだったので、怪しいなと思いつつも売りたい気持ちが先行してしまい先方が送ってきたGメールアドレスに連絡してしまった。相手からの返信はすぐに飛んできた。メールを送った時間はアメリカ時間は真夜中なのにね。

このままやられっぱなしだとプライドが許さなかったので、詐欺だと気づいた後もあえて泳がせてみた。やつらの手口を晒しておくのでぼくのような被害者が出ないことを祈るばかりだ。

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2回目の出品で上記のフル英語の連絡が飛んできた。ヤフオクって日本人以外もいるんだ?って感じだった。

US在住でぼくの出品していた商品をいとこのために買いたいとのこと。そしてヤフオク運営ではなく、Gメールのプライベートのアドレスに連絡くださいとのこと。

それにノコノコとつられて連絡したあとの返信が下記。

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いとこはナイジェリアにいるとのこと。トータルコストとEMSのフレイとを教えてくださいと依頼。そして振込先情報を添えて返信を要求される。

いやいや、直でやりとりするんですかwヤフオク運営通してくださいよ。そしてこの後、ぼくに先に発送させてトンズラというシナリオなんだろう。

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という至極当然のことを返信したところ、


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クレカ持っていないとのこと。お宅の国ではカード決済できないと生活できないのでは?そういうわけで銀行送金を提案している。
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もうここまでメール読んでたらわかると思うけど、メールの書き出しが毎回同じ。署名機能が何かでメール作成するたびに自動で打ち出していると思われる。

そりゃ世界中のいろんな人にたくさん送りつけるわけやからね。

仮に本当にクレカ持てないほどの貧困層だとしたら、ぼくのBOSEのイヤフォンなんか買おうと思うだろうか?そんなレイヤーに属する人がSWIFT CODEなんてものを知っているはずがあるだろうか?こんなクソご丁寧に箇条書きで提示してくるあたり、たくさん経験積まれてるんですね。なんの取引や。
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銀行口座をヤフオクアカウントに登録したらええやんけ、とぼくは食い下がってみたが先方はあくまで送金で直でやりたい意向。やたらと急かしてくる。
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そして、どうしたものかと一晩寝かせていると、プッシュのメールが。全部大文字になてて圧迫感が伝わってくるw
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やっぱ難しいですわと回答すると、向こうも「Okay...」とだけ残してその後連絡が途絶えた。

 

このナイジェリア詐欺を調査している中で、ロケットニュースがナイジェリア詐欺についておもしろい記事を書いていた。

rocketnews24.com

419Eaterというナイジェリア詐欺師たちを懲らしめる人たちのフォーラムがあるらしいwww草

彼らはメールのやりとりだけで、コンタクトを取ってきた詐欺師を信用させ、「●●してくれないと信用できない」や「●●してくれないとお金は払えない」などと、様々なことをリクエスト。基本的にバカ丸出な写真を送らせるのだが、それをネットに晒しあげて芸術性を競いあうのだ。

このサイト自体はすべて英語なので読める人は楽しんでほしいが、このロケットニュースの記事だけでもなかなか笑える。世界は広い。

今回の件で思ったのは、ナイジェリア詐欺は英語があまり普及していない日本ではさほほど被害はないらしいが、少なからず存在することは確かである。

日本語の情報サンプルが少ないのもヤフオクの参加者が英語が読めないことが最大の要因だと思っている。

となると、もっとも危険なのは中途半端に英語ができる人ということになる。相手の言っていることがまったくわからないならそもそも相手にしない。なまじ理解できてしまうことでズブズブとハマっていってしまうのだ。

とはいえ彼らには傾向みたいなものはある。高額な商品や電子製品をよく狙ってくるということだ。高額でないと詐欺をするインセンティブがないからだ。

具体的にはパソコン、カメラ、スマホ、ぼくの場合はノイズキャンセリング付きのイヤフォンだった。これらの商品を出品するときは英語での問い合わせには注意してもらいたい。

そもそも、海外発送をOFFにしておけばこんなめんどくさい問題に巻き込まれずに住むんだろうけど。

台湾の思い出

先日大学時代に一緒に台湾に行った女友達が台湾人男性と結婚したというポストをFBで見て懐かしい思いがした。


ぼくと台湾の出会いは大学の短期留学プログラムに参加したことから始まる。

ぼくは第二外国語として中国語を選択していて、年度末の終わりに先生から台湾のプログラムに人が集まらなくて中止になりそうだから参加してくれないかと頼まれた。

当時は旧民主党政権下で円高になっていたので安い費用で済むだろうという軽い気持ちで引き受けた。4週間で半分は台北の大学の学生寮、もう半分は一般家庭にホームステイで10万強くらいしかかからなかったと記憶している。

人数はぼくを含めて5人しかいなかった。本当によく中止にならなかったなと思う。出発は期末テストが終わって翌日くらいの出発だったと思う。

この日が初対面だったので初日はみんなで夜ご飯を食べに行ったらその夜(授業が始まる前日)、ぼく以外の全員が下痢嘔吐を催し、初日の授業はぼく一人のみ。結果的にマンツーマンレッスンになり先生は爆笑していた。


ほかのメンバーはみんな個性的で中国語はまったく話せないので、授業中だけでなく街に出かけるときもぼくが通訳を買って出た(ぼく自身もそれほど話せるわけではないが)。
ぶっちゃけ台北の大学で受けた授業よりもみんなの通訳係が一番中国語の経験値がたまったと思う。

主要観光スポットへの道を尋ねたり、タピオカミルクティのカスタム注文(味、氷の量、甘さなど)、夜市で買った偽ブランド品の返品交渉、イケメン現地大学生の逆ナン(の通訳)など思い出しただけで濃い思い出がよみがえってくる。

返品交渉のときなんかは中国語でブチ切れられたらソッコーで逃げようなと話し合わせていて、手からいやな汗がどっと出てきたことは忘れられない。ブロークンの中国語でよくこんなことやろうと思えたもんだ。最近こんな濃い体験していない。


個人的に台湾のことで忘れられない思い出はふたつあって、

一つが台北101に観光しに行ったときにみんなとはぐれてしまって途方に暮れていたとき、台湾人のおじいさんに助けてもらった。外国人としてはうまい日本語だと思ったので、日本語上手なんですねとお礼とともに言ったところ、「昔は私も日本人だったんですよ」と返ってきた。

そのときぼくは何のことかわからず中途半端な返事をして別れた。このときは日本と台湾のことを何も知らなかった。寮に戻ってから自分の無知を恥じた。このときから日台の歴史も勉強しようと思った。


もうひとつは、台湾滞在中に東日本大震災が起こったことだった。そういえばもうすぐ3.11が近い。もう8年も経ったことがにわかには信じられない。東日本大震災をきっかけに人生を見つめなおした人は多い。あまりに簡単に人が死ぬところを目の当たりにして命の儚さを知り、後悔ないように生きねばと思うのだ。社会人1年目の夏休みにタイのバンコクを訪れたが、日本人ホステルのオーナーは震災後にタイに移住していたが、移住の決め手になったのはやはり震災で、やりたいことは今やらないとと思ったそうだ。ぼくは当時東北地方には知り合いはいなかったので特段心配はなかったが、テレビモニターで繰り返し映し出された、仙台空港が真っ黒い津波に飲まれていくシーンは衝撃的だった。


さらに驚かされたのは被災した日本に対する台湾人の行動だった。地震発生後、即座に日本を支援するためのチャリティがいくつもできていった。中国語の先生にも、現地の学生にも、ぼくが日本人だとわかるやいなや「日本加油(日本がんばれよ!)」心強い応援の言葉をいただいた。ぼくは日本のことを思う台湾の人の多さに心を打たれた。その後台南でも地震が発生したときはその時のお返しを、と日本で立ち上がった人たちがいた。ぼくは台湾に対してまだ大したお礼はできないけれど、感謝の念は持ち続け
たい。

 

前職の先輩に、ぼくが退職するときに「まだ何もお世話になった恩返しできていないのにすみません」と言ったところ、「恩なんか返さなくていい。その代わりお前の目の前に助けを必要としている人がいたら助けてやれ」と言われた。

数年前に台湾旅行に行ったときにたまたま行きのフライトで隣の席に座っていた女の子と意気投合して仲良くなって今でも時々遊びに行く間柄だ。去年はその子の転職活動や家探しにも率先して協力している。案外、人とのご縁というのはこうして繋がっていくものなのかもしれない。

ユニークな京都企業をざっと調べてみた

newspicks.com

 

NewsPicksの特集で京都企業の特集が始まっていて興味深 く見ている。京都企業がこのように特集されるのは何もこれが初めてではない。 以前にも似たような特集は組まれていてそれにも目を通したことは ある。

でも数年たてば産業の情勢は簡単に変わってしまうので、 同じ企業でも数年前と比べてどんな分野に注力しているのか、 さらにこれから中長期的にどんなことに投資をしていくのか? ということを考えながら読むと味わい深い。

ぼくが大学時代を過ごした京都は業界的にけっこう偏っていると思っていて、 主としてエレクトロニクス企業が集積している。

例えばNPの特集でも取り上げられている村田製作所日本電産、京セラ、ロームオムロン堀場製作所島津製作所、SCREEN、日写、 村田機械GSユアサ任天堂など高い市場シェアを握っている企業が多い。

自分自身も就活時には関西に残ることしか考えていなかったので、 もちろん京都の企業も受けていた。 エレクトロニクス業界では名の知れた企業たちであるため、 どの企業も競争率は高い。

上記のほとんどの企業の社長も京都大学もしくは関関同立を卒業しているので、地元色が強い。個別に京都の企業を見ていきたい。

 

村田製作所

・製造業

・主力製品→コンデンサ

・売上/純利益→1兆3700億円/1,460億円(2018年 3月期)

・社長

村田 恒夫代表取締役社長

京都府出身67歳。同志社大学経済学部卒業後に村田製作所入社。ドイツ現地法人社長などを経て2007年代表取締役社長に就任。

・特徴

電子部品メーカーとして、日本のみならず世界を代表する最大手格。iPhone向けのコンデンサを出がけており、海外売上高比率は92%と極めて高い。 京都のエレクトロニクス企業と言えばまずこの会社の名前が上がる だろう。京都の大学生でも就職活動では大人気の企業でもある。 最近ではスマホ部品の需要を捉えて売上高を大幅に伸ばしているが 、一方で5G次世代通信や車の自動運転技術などにいち早く投資を 進めていて、車載向けではすでに世界シェアの過半を占めており、 直近の業績は盤石と思われる。

 

日本電産

・製造業

・主力製品→各種モーター

・売上/純利益→1兆4880億円/1,310億円(2018年 3月期)

・社長

永守重信代表取締役会長兼CEO( 社長は吉本浩之代表取締役社長執行役員

・特徴

村田製作所と同じくオーナー企業だが、 創業者である永守会長が今も健在で陣頭指揮を執っている。 ぼくも前職で新卒のころ日本電産から転職してきた人と同期入社と なり研修中に色々と話したが、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という社訓や、 休みが欲しければ会社を辞めろというモーレツな社風は事実らしい 。 古き良き日本のサラリーマン像を体現する会社でどの競合他社より も長く働くことで成長してきたが、最近はその方針を永守会長自身が転換しにかかっている。より効率的に働き少ない労働時間で成果を出せるような仕組み作りに取り組んでいる。 オーナー企業の一番のメリットはここだと思う。 環境の変化に応じてトップダウンで会社が進む向きを変えることが できる。 もちろんトップには先見の明が備わっていることが前提となるが。

産業機械や家電など社会のあらゆるところに同社のモーターが設備 されているが、最近では自動車の電動化により巨大なマーケットが開けてきており 、株価も2017年以降非常に高い水準で推移している。( 米中貿易摩擦の影響を織り込み4Qは同業他社に先駆けて下方修正 しているが)

同社だけでなく、 ソフトバンクファーストリテイリングなど強烈なカリスマを持つ 会社には、 そのトップが退任した後も成長し続けられるのかというオーナーリスクが付きまとう。そのため日本電産も後継者探しに着手している。 昨年代表取締役社長に就任した吉本社長は元双日の商社マン。双日カルソニックカンセイで自動車部品の経験を積んだ後に日本電産グ ループに入社。 赤字の子会社を立て直したことで本体取締役副社長に昇格しており 、永守会長の信用は厚い。

 

京セラ

・製造業

・主力製品→セラミック、電子部品

・売上/純利益→1兆5770億円/817億円(2018年3月 期)

・社長→谷本代表取締役社長

・特徴

京セラの創業者稲盛和夫会長も永守会長に負けず劣らず有名人だ。 京セラだけでなくKDDIau)の創業者でもあるし、 最近だと日本航空会長に無報酬で就任している。 パナソニック創業者の松下幸之助に影響を受けており、 アメーバ経営など画期的なマネジメント方法を編み出し、 稲盛会長の書いた著書は日本だけでなく中国でも翻訳され数多く販 売されている。IRを改めて見てみると自動車部品、半導体部品、 電子デバイス、通信事業、 複合機などそれぞれのセグメントがまんべんなく利益を上げていて穴がない。

 

ローム(LOHM)

・製造業

・主力製品→カスタムLSI半導体集積回路

・売上/純利益→3,970億円/372億円(2018年3月期 )

・社長→藤原 忠信代表取締役社長

宮崎県出身、関東学院大学文学部卒業。一貫して営業畑を歩む。 ロームは初代、二代目ともに立命館大学出身者であったため、 藤原社長は初の京都以外の大学の社長となる。

・特徴

出ましたみんな大好きロームさん。 冬の期間右京区にある本社を解放して大規模なイルミネーションを 開催していて、 京都市内の大学生はデートにはうってつけの場所でした。 そんなロームは顔採用で有名な会社です。ロームには京都中のレベルの高い女性が集まってきます。

同社の製造するLSI集積回路) は市場を席巻するほどの高いシェアを握っており、 高い株価を維持している。

ここも車載機器やFAなど産業機械への拡販を進めているものの、 先期最も利益への寄与度が高かったのは、 ゲーム機向け半導体というから意外だ。 既出の最大手格の企業と比較すると小規模な売上だが、純利益率は 10%弱あり、製造業としては優秀であると言える。

 

オムロン

・製造業

・主力製品→FA制御機器、医療機器

・売上/純利益→8,600億円/834億円(2018年3月期 )

・社長→山田義仁代表取締役社長CEO

山田社長は大阪出身、同志社大学経済学部卒業の関西人。 一貫して医療機器畑を歩み、オムロンヘルスケア社長などを経て4 9歳の若さでオムロン本体の代表取締役社長に昇格した。

・特徴

JR京都駅前にオフィスを構えるリッチな企業。toCの事業とtoBの事業両方を持っており、コンシューマー向けでは血圧計などでよく知られている。 ビジネス向けではファクトリーオートメ―ション( 工場の自動化機器)で高いシェアを持つ。このFAシステム事業が 全売上の半分近くを稼ぎ出す。2018年度3Q以降米中貿易摩擦 の煽りで主要マーケットである中国での投資意欲が減速しており、 見通しは不透明だが米中の対立が落ち着けば一気に回復すると読ん でいる模様。

余談だが創業期には、自動改札機やATMなどを開発したのも同社 であり世の中にないものを作り出すスピリットがある。 余談の余談でプリクラ機を手掛けるフリュー社も元々はオムロン社内ベンチャーだ。 ちなみに社名の由来は創業時の本社があった地名が「御室( おむろ)」だったことにちなんでいる。

 

堀場製作所

・製造業

・主力製品→排ガス検査機器など

・売上/純利益→1,953億円/162億円(2017年12月 期)

・社長→堀場厚

・特徴

数年前フォルクスワーゲンが燃費の不正検査で炎上したときに暗躍 したエンジン排ガス測定器を製造するメーカー。 排ガス測定器では世界シェア80%を占めている、 隠れたニッチトップ企業。 同社の飛躍のきっかけは米カリフォルニア州の検査基準でデファクトスタンダードを押さえたこととのことで、 ぶっちゃけこういう設備メーカーというのは、キーボードのキー配置や表計算ソフトなどユーザーに最初に受け入 れられたモン勝ちなところはある。 もちろん絶えず技術を磨いている成果であるとも言えるけど。

ここもオーナー企業で現社長は二代目になる。社是である「 おもしろおかしく」 なんてサラリーマン社長ではとても掲げられない。 ユニークな社風やダイナミックに事業の方向を転換できることがオ ーナー系企業の最大のメリットだと言える。

 

島津製作所

・製造業

・主力製品→成分検査機器

・売上/純利益→3,765億円/298億円(2017年3月期 )

・社長→上田 輝久代表取締役社長

・特徴

島津はノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏が在籍する会社。 学士で唯一のノーベル化学賞受賞者、 かつ現役サラリーマンで史上初のノーベル賞受賞者らしい。187 5年創業の老舗中の老舗。明治時代が始まったばかりで、板垣退助自由民権運動を始めたり、江華島事件で朝鮮を開国させたりしていた時期だ。

事業は、主にアカデミック機関向けの分析機器が多いほか、自衛隊に航空機器も納入している。

ちなみに後述のGSユアサは同社の蓄電池工場が独立したもの。

 

SCREENホールディングス

・製造業

・主力製品→半導体ウエハ洗浄装置

・売上/純利益→3,393億円/285億円(2018年3月期 )

・社長→垣内 永次代表取締役社長CEO

・特徴

SCREENはエレクトロニクス産業の中でも半導体製造装置とい うフィールドにいる。 その半導体製造工程も前工程と後工程に分けられる。 前工程はざっくり成膜→露光→エッチング→ 不純物拡散という工程からなりウエハ加工工程とも呼ばれるが、S CREENはその中の洗浄機で卓越した技術を持っている。前工程においてシリコンウエハを成膜しては洗い、エッチングしては洗い、研磨しては洗いと全工程に占める洗浄の工程は意外と多い。不純物が混ざると品質の低下を招くので、半導体の品質すなわち洗浄装置の精度にかかっているとも言える。世界の半導体洗浄機市場においてSCREENは東京エレクトロンとシェアを二分する最大手格である。

 

村田機械

・製造業

・主力製品→繊維機械、工作機械、FAシステム

・売上/経常利益(2018年3月期)→2,530億円/324 億円

・社長→村田大介代表取締役社長

・特徴

今回挙げた京都企業の中では唯一の非上場を堅持している企業。 非上場にしている目的は意思決定の迅速化のためとのことで、 今後も上場する意向はないらしい。現社長は一橋大→ スタンフォードMBA

同社も複数の事業部を持っていて、 昔は合成繊維を巻き取るワインダーやツイスターという繊維機械を 開発した企業。日本では繊維業は斜陽産業になってしまったが、インドや中国にメインマーケットを移して依然高いシェアを握って いる。事業別で最も大きい売上を占めるのが物流システム部門。半導体工場やFPD(フラットパネルディスプレイ) 向けのクリーンルーム対応の搬送システムが成長中。

 

GSユアサ

・製造業

・主力製品→バッテリー製品

・売上/純利益→4,100億円/114億円(2018年3月期 )

・社長→村尾 修代表取締役社長

・特徴

自動車用、産業用、バックアップ電源装置など幅広い用途のバッテリーを製造しているメーカー。バッテリーと一口に言っても色々な種類があるが、 鉛蓄電池を日本で初めて製造したほか、 リチウムイオン電池で国内トップのシェアを持つ自動車向けでは三菱自動車向けに車載バッテリーを供給しているほか、本田技研工業ともブルーエナジーという合弁企業を設立している。

そして平均年収がかなり高い。村田製作所や京セラが700万円台 、オムロンや島津が800万円台、SCREENが900万円台とメーカーにしては高い水準だが、GSユアサは1100万円台にのぼる。す、すごい。

 

そのほかの企業もユニーク

 

そのほかエレクトロニクス業界以外の大手企業というと、 世界に誇るゲーム企業任天堂が挙げられるし、化学業界ではSAP (高吸収性樹脂)のシェア大手である三洋化成工業もある。 同社は東レ豊田通商の関連会社となっており、総合商社の物流網を活用してSAPを世界に販売している。先日次世代電池として期待される全樹脂電池の実用化にも目途をつけ、10年後に1000億円の売上を目指すという。現在の連結売上が1600億円である同社からすると凄まじいイン パクトになるが、こうした大風呂敷が可能になるのも東レの技術支援や豊田通商の販売ネットワークや資金力といった後ろ盾があればこそだと思っている。

IT企業でははてなブログを運営するはてなも京都発祥の企業だ。このブログでお世話になっているので忘れずに挙げておいた。

東京の企業も京都にオフィスを設立する動きが始まっている。LINESansanサイバーエージェントといったIT企業も昨 年相次いで京都に開発拠点を開設した。

京都は道がコンパクトで住みやすい。 自転車があれば京都市内の一通りの主要な場所はほぼアクセスする ことができる。また京都は学生の街でもある。京都大学を筆頭に、 関関同立の一角である同志社大学立命館大学産近甲龍龍谷大学京都産業大学、さらに佛教大学京都造形芸術大学京都工芸繊維大学などの専門性に特化した大学もあるし京都女子大 学、 平安女学院大学などエアラインや銀行にかわいい女の子を供給する 女子大もある。

京都に進出する企業が狙っているのは優れたエンジニアのリクルー ティングが目的で、 学生数が多ければ優秀な学生にも巡り合いやすい。 京都にオフィスを置けば就活時にはそれだけ身近な企業になる。 自分自身、京都に住んでいたことがあるから言えることだが、 京都は若い人が多いし、家賃が安く(東京より40%くらい安いと いう感覚)、 四季によって表情を変える街並みが非常に魅力的なので、 ぼくもゆくゆくは京都に戻って暮らしたいと考えている。