かもがわ総研

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【バーニングオーシャン】安全をないがしろにした人間の浅ましさとド迫力の救出劇

burningocean.jp

公開から1日遅れで見てきました。

 

実のところ、劇場版コナンの上映前の予告で初めてこの映画を知った。

 

でもこの事件はよく覚えてる。2010年4月20日に起こった事件だから、大学2年になりたてのころ。

 

メキシコ湾に流出した原油で海が燃えているところや原油をまともに浴びて真っ黒に染まる鳥のニュースを何度となく見た記憶がある。

 

この事件を起こしたBP社も天文学的な賠償金を支払っており、あまりに巨大な規模で現実味が全く感じられなかった。

 

そこからほぼちょうど7年の時を経て実話をもとに映画化。きっと制作側もこの日に公開しようとしていたんだろう。

 

主演のマークウォルバーグはどこかで見たことがあると思ったら、トランスフォーマーらしい。あれと思ってググるとテッドの俳優さんだった。テッドの方がしっくりくるけどなあ。

 

この映画は見ていて本当に怖かった。コーラが噴き出す場面など、序盤から事故を予感させる演出ばかり。

 

事故現場であるディープウォーターホライゾンに到着してからも安全検査が終わっていないことがわかって以降BP本社側と作業請負会社側で揉める。

 

最初に原油が吹き出してくる直前の雰囲気で背筋がゾッと寒くなった。

 

セリフは少なかったがとてつもなく恐ろしい事態が迫ってきていると伝えるには十分な情報量だった。

 

原油が逆流して、あまりの圧力に作業員たちが半ペラの紙のごとく吹き飛ばされる。

 

吹き出し続ける原油はついにエンジン室に引火、大爆発を起こす。

 

この後の展開はぜひとも劇場で見てもらいたいが、ぼくは正直恐ろしくてもう一度見たいとは思わない。

 

映画のクオリティが低いからではなく、あまりにリアルに描き切っているから。

 

ちなみにこの事故の後のことはあまり触れられていないが、裁判に臨むマイクに対して亡くなった作業員の家族が食ってかかる場面はとても心が痛んだ。

 

マイクは自分の命も顧みず果敢に施設に入ってゆき、全員とまではいかなかったが多くの作業員の命を救った。そのことは無条件に賞賛されるべきと思う。

 

マイクの「なぜ自分は生きて帰ってきてしまったのか」と自分を責め涙する姿は痛々しかった。

 

エンドロールにて、原油の掘削を強行したBP管理職ヴィドリンは事故後、故殺罪にて起訴されたということだ。

 

工期の遅れをとり戻すべく安全テストやそのコストを軽んじた結果、

 

BP社は安全テストの比較にならないほどの賠償金を支払う羽目になっただけでなく、

 

ヴィドリン自身もクビが飛ぶだけで済めば良かったが、11人の作業員を死なせたとして有罪になった。

 

急がば回れ」とはあまりに月並みな言い方だが、ヴィドリンと同じビジネスマンとしては肝に命じておきたい。