かもがわ総研

ベトナムでもがく中間管理職です。営業、マーケ、法務、採用なんでもやってます。

久しぶりに行った中国で銀行口座とアリペイ開設してきた【後編】

杭州

杭州のホテルはとても快適だった。 以前中国からお客さんが来日して大井町のホテルに

案内した時、部屋が狭いと不満気だったことを思い出した。 中国のホテルはどちらかというと

欧米の基準に合わせて作られているらしく、部屋はなかなか広い。 星いくつという格付けによって千差万別なのだろうが。

部屋に戻ってからはお互いの仕事の話で大いに盛り上がり、 かなり夜更かしをした。日本人と中国人、同じアジア人、されどアジア人。 日本人の感覚では中国人はテキトーすぎる、中国人からすると日本人は意思決定が遅すぎる、 といった議論になり納入した商品に不良が出ても次回インボイス価 格から補償分を差し引きますよという中国人に対してその問題が出る という前提でいる態度がダメだという日本人。 考えうる問題は発生する前に潰しておくべきという日本側の考えも 、大量の貨物を輸出するのにその中の僅かな割合のために生産の効率は落とせないとい う中国側の意見もどちらもわかる。

がしかし、個人的には中国側の意見がもっともだと思う。 日本のメーカーは過剰品質な面があり、これ以上こだわっても仕方のないところまで突き詰めてしまった結 果、中国のメーカーにはやっかいな存在として扱われてしまう傾向がある。 メーカーの問題というよりは口うるさい消費者の問題なのかもしれないけれど。 両者の間には埋めがたい隔たりが存在すると再認識した。

しかしこうして意見を戦わせていると、 仕事観や生き方といった価値観で合うところが多く、世代の違う日本人よりもむしろ、 年の近い中国人のほうが意見が合いやすいのだなと感じた。

 

銀行口座開設:

口座開設というキーワードでやってこられた方々、 大変お待たせしてしまいすみません。前置きが非常に長くなってしまいました。結論から言うと、 上海では開設はできず杭州中国銀行で開設することができた。

上海でも開設はできるとは思うけれど、支店によって対応が違う( !)という理由ではっきりしたところまでは分からない。短い滞在の中でウラを取ることはできなかった。 結局上海と杭州で合わせて6支店をハシゴすることに。別の中国銀行の支店では6ヶ月以上のビザがなければ 口座は作れないよと言われ絶望しかかったり

またある銀行の支店では、イケメンの日本人が来た!(笑) ということで銀行の行員が続々と集まってきて、これはイケるかと思いきや、 上司の承認が得られずダメになったりした。最後の6支店目で、 ビザなくてもいけるわよと回答。パスポートと中国の電話番号を提出し、 支店に不在の上司に指紋認証で承認いただきようやく口座が開設できた。その後スタバへ駆け込み、 アリペイを口座をリンク、アクティベートが完了。

40度近い気温の杭州を汗だくで駆けずり回った苦労はここに結実 した。本当にしんどかった。

口座の開設後、 銀行支店の外で中国のパートナーとガッチリ握手し、「别放弃,达 成目标!」と互いをねぎらった。

 

余談1.

中国銀行は二カ所トライして、二カ所目で口座が開設出来た。 支店により対応が違うので、どの銀行であれ一度断られても諦めない方がいい。 チャンスはピンチのあとにやってくる。 また中国の銀行支店は日本と違い、休日でも営業している。(!) これも支店により営業時間も違ってくるので、 事前にネットで調べてもいいし銀行支店はある地域に集中しているものなので、 手当たり次第あたってみるのもいい。ぼくは銀行はどこでもよかったため後者のローラー作戦を敢行した。

余談2.

中国の銀行口座の開設には中国の携帯の番号が必須になる。 日本のスマホの番号では受け付けてもらえない。

銀行からのSMSを受信できないといけないからだ。 僕の場合はあらかじめ中国のパートナーに小米の安いモデル(11,000円くらい)と国際ローミングのできるSIMカード を購入してもらい、後日現地で人民元で支払った。

別の方法もある。日本でSIMフリースマホを入手し、アマゾンで SIMカードを購入するパターン。アマゾンで香港SIMを買うと中国であってもFACEBOOKやTwitt er、LINEが使用できる。日本人にとってLINEが使えるの はなかなかありがたいだろう。 中国の国際ローミングには月極め維持費用がかかり(概ね>20元 ほど)、残額が少なくなるとチャージしなければならない。

上海に到着後、 交通カードも買えず自転車もレンタルすることができず中国のパー トナーのアリペイを貸してもらわざるを得ず惨めな経験をしたが、 アリペイアカウント開設後初めて買い物をしてみた。 書店で中国語版の東野圭吾のナミヤ雑貨店の奇跡を買ってみた。 レジへ本を持って行き、アプリを開く。バーコードを表示し

店員に読み取ってもらう。そして6ケタの認証パスワードを入力す ると、アラ簡単。支払いが完了。ウン、これは流行りますわと納得。 杭州は中国国内でも特に電子決済が進んでいる都市であり、 どこでも決済のためのバーコードを見られる。現地の人はもしもの時のために20 0元ほどをかばんに突っ込んでいる程度だという。

普段は使わない。

ちなみに中国では書籍が安い。 日本が逆に高すぎるのかもしれないが。僕が買った本は30元ほど で、日本とは価格差がある上に、ネットで買えばさらに安くなるらしい。 ここが日本とかなり異なる点。この価格差を活かして何か商売ができないかなと思案している。 普通の日本人には中国語で書かれた書籍なんかに用はないけれど、中国語を学んでいる学生などに売れればと思っている。 それでも市場がニッチすぎるか。

 

再び上海:

フライトもあるので後ろ髪引かれる思いで杭州に別れを告げ、 新幹線で再び上海へ。浦東空港への地下鉄の終電は10時前と意外と早い。 それまで二時間ほどの時間があり何をしようか迷った挙句、 またここへ戻ってきてしまった。

夜の上海は昼間とはまるで違う顔をしている。 テレビ塔や金融センターなどの高層ビルが妖しく光っている。

夜が似合う街だなと思った。 今度来るときは外灘のバーで夜景を肴に一杯やりたいなと思った。

地下鉄の駅出口からすぐの立体歩道橋は国内外からの観光客でごっ た返していた。だれもがセルフィーで高層ビルを

バックに写真を撮っている。日本の銀行の駐在員らしい人間も、 腕をなくした物乞いも同じ空間にいる。魑魅魍魎が跋扈するこの上海では、 カオスな多様性によりむしろ一層輝いて見える。 光あるところにはまた影もある。光が強くなれば影もまた深くなる。 ぼくは川崎のスラムや大阪の新世界みたいな場所が大好きだけれど 、上海にも同じ空気を感じた。

 

帰路、そして総括:

帰国のフライトは明朝5時なので、 空港で寝泊まりすることにした。座席に深く腰かけて、 ひたすらに慌ただしく過ぎていったこの週末を思い返していた。

中国の電子決済社会、電気自動車の普及、アリババやDJI、 テンセントなどIT企業が勃興して社会全体を現在進行形で変革しているさまは、 旧態依然とした日本とはあまりに対照的で鮮烈にまぶたに焼き付い て離れない。

思うに、国家には賞味期限があるのだと思う。 高度成長期やバブル期の日本はまさに旬といってよかったが、 今の日本は熟れすぎて腐りかけているように思える。 翻って今の中国はまさに黄金期を迎えている。 いずれは中国も衰退して、インドネシアベトナム、インド、 アフリカ諸国と人口ボーナスを迎える国家が次々に発展を遂げてい くと思う。

それが今は中国がその恩恵を享受していると言う事だと思う。 しかしたとえ今後中国の成長が減速したとしても13億人もの人口はあらゆる消費に影響を及ぼす。 中国語を使えるというメリットはこれからさらに価値を増していく

と思っている。これからさらに中国語に磨きをかけて、 中国の行きつく先を見守りたい。