3Dプリンタが普及した場合の影響は物流面がデカいと思う
従来からの課題だった強度と言う問題をクリアした3Dプリンタ。アディダスのシューズソールにも3Dプリンタが採用され、今後はメディカルや自動車用途への展開も見据える。
— チャン・Kei (@keito_mrww) 2019年2月24日
デジタルファブリケーションがいよいよ実用段階へ。 #NewsPicks https://t.co/Dnuc4f45SV
NPでまたおもしろい特集が始まってる。
この記事は有料会員しか見れないのでできるだけ短く説明すると、
3Dプリンタはこれまで製造業においては、主としてプロトタイピング(試作)段階において用いられてきた。高価な金型を試作のたびに準備していてはとんでもないコストがかかってしまう。そこで必ずしも量産まで進めるとは限らない試作段階では3Dプリンタで金型なしでとりあえずモックアップを作ってみるということが一般的になってきている。
しかしながらこの3Dプリンタは本番の量産ではほとんど用いられていない。なぜかというと3Dプリンタで作ったものは強度が不足するからだ。一般的な3Dプリンタでは2D(平面)の層を何回もひたすら積層させて3Dを形作っていく。そこでそのたくさん積層された2D同士の間は接着されているという状態になるため、大きな負荷がかかると外れてしまうのだ。
この問題に取り組んだのが、本記事で紹介されているシリコンバレーのユニコーン、カーボン社ジョゼフCEOである。
ジョゼフ氏はこの2Dを重ねていくのとは別のアプローチで強度の問題を解決する。そのヒントになったのはなんと映画。ターミネーター2のT-1000が液体金属となって自在に形を変えているところに着想を得て、「層を重ねる」のではなく「なめらかに連続的に」作るという方法を思いつく。
3Dプリンタで用いられる樹脂には大きく分けて光で固まる樹脂と、熱で固まる樹脂があり、それぞれは昔からある材料ではあった。
しかしジョゼフ氏は、どちらを選んで使うかではなく両方を組み合わせて使うという発想でそれまでの常識を打ち破る強度を持たせることに成功する。
そしてアディダスでは、通常ソールの試作には1年半の間に5-6パターンしか作成することができなかったが、3Dプリンタを活用してからは半年で50パターンも作ることに成功している。製品開発が30倍のスピードになった。
他にも3Dプリンタでのものづくりは金型にはできない複雑なデザインが可能になるし、金型を用意する必要がなくなるので短納期で納めることができるようになる。
この3Dプリンタ技術、要はオフィスのワードみたいなものだと思っていて、データさえ用意すれば3Dプリンタを置いてあるところなら世界のどこででも即座に生産にとりかかることができるようになる。
現状の3Dプリンタには強度の問題や生産コストが合わないなど色々なハードルがあるkれど、もしこれが普及したら物流業界が真っ先に割りを食うと思う。データ送りゃ生産できるようになるもん。
従来のものづくりでは、設計のあと原料を手配して工場まで船で送ってドカンと作る。そしてできあがった製品をまた船に乗せて消費地まで運んでいく。製品価格にはこの物流費用ももちろん乗っけられているのだ。
その点、双日はさすがだなと思った。3Dプリンタが普及したらもう商社いらないじゃんとなってしまうとも限らない。その前に3Dプリンタを持つメーカーと組んで、市場開拓や販売を担うことで自分たちの役割を作りだした。
思えば、データ化が進むごとに貿易の量ってどんどん減少していくんじゃないのかな。これまでもこれからも。
紙の本は電子書籍になり、色んなゲームやソフトウェアはディスクに焼き付けたものからデータで販売するようになったし、写真の記録媒体もクラウドになりフィルムもメモリーカードも使わなくなった。
金型メーカーもそうだけど、物流業界も危機的な状況になっていくのかも。