かもがわ総研

ベトナムでもがく中間管理職です。営業、マーケ、法務、採用なんでもやってます。

詐欺に遭う人の話を聞いていて思ったこと

身内の恥で話すのも心苦しいのですが、親族の人が投資詐欺に遭いました。損したのは200万円弱くらいですかね。詐欺の主犯格はすでに逮捕されています。

 

以前からいろいろと話を聞いていたぼくとしては「だからいわんこっちゃないやろ」という感想なのですが、嵌まる人は嵌まるものなのかなあと感じています。

 

詐欺の内容としては、もうすぐ上場を予定している海外の複数の新興企業の株が手に入りました、必ず儲かるので買いませんかという古典的なものです。

 

最初に胡散臭いなと思ったのが、兵庫県で説明会があった際に、会場ではカメラでの写真撮影は禁止、配布された資料は持ち帰り不可という謎のルールがあったことでした。

さらにそれらの投資先の企業を調べようと思っても名前もハッキリとはしませんし、財務諸表も開示してもらっていませんでした。

元々商社にいた自分からするとこの内容は到底信じられず、「投資を募る会社が決算書も出さない、社名も知らないってふざけてんのか」と言いました。そんな状態でどうやって確実に儲かるかどうか判断しろというのか、というか何を根拠にこれから必ず儲かると断言できるのか本当に疑問でなりませんでした。

 

まあここからが深い問題になるのですが、ぼくみたいな30歳にもなっていない若造が少し話を聞いておかしいと確信するようなガバガバの投資話にホイホイと乗ってしまう人が実際に存在することも事実です。だからこそそんな投資詐欺を働く輩も跋扈するわけです。

 

普通に考えたらそんなことしないという状況でも、何かのっぴきならない事情があるとやっぱり人は判断を誤ってしまうのかなと思います。

被害者の親族の人も、定年が近く(経営者なので定年はないっちゃないんですが)身体が動かなくなったときに備えて投資である程度稼げるようにならないといけないという事情はありました。

そういう事情って他にもたくさん思い当たる節があります。本社の出世競争から外れ出向で子会社に社長待遇で来た人は、結果を出して本社にで戻るべく功を焦ってとんでもない損失を出してしまったり、

ホスト狂いになって貢ぐお金がなくなってしまったので、ホストに行くために風俗で働き始めたり、消費者金融でお金を借りるようになってしまったり、例を挙げればキリがありません。

今回の件で言えば、ぼくも地方の経営者に対して営業をしていて、たったこれだけの売上げでこんなに役員報酬もらってるの!?とかこんな古い考え方でよくやっていけるなみたいなことを思ったことは一度や二度ではありません。日本においては優秀な人材は大企業を目指し、中小企業には流れてきません。

地方でお山の大将になって、場末のキャバクラでイキり散らしているようなオーナー社長はマクロ経済や海外ビジネスの事情などは自社のビジネスにはこれっぽっちも関係ありませんから全く知りません。

投資詐欺の人間たちはそうしたところをうまく突いたのかなと思います。稼いでいる割には、儲け話の真贋を見抜く目はないということでしょう。

ぼくも「これ、多分怪しいよ」と忠告しましたが、詐欺師の話を盲信してしまっているようだったので頭にも留めていなかったでしょう。今思えばどういう言い方をすればは話を聞いてもらえたのかなと考えてしまいます。というか昨日の夜はずっとそれを考え続けていました。

経営者なので200万円は高いが、勉強代として次に生かすというオチで終わることもできますが、投資詐欺に限らず世の中の魑魅魍魎に騙されないようにはどうすればいいのかと頭を悩ませてしまいます。