かもがわ総研

ベトナムでもがく中間管理職です。営業、マーケ、法務、採用なんでもやってます。

日本人は自分で自分の首を締めてるでという話

ときたまチェックしては、思わず膝を打つような知見を得ることができる場所としてBooks and Appsというサイトがあります。そこでこんな記事を見ました。

blog.tinect.jp

この記事の要旨としては、

日本の医療費は上がり続けていて、医療保険を存続させていくためには方法を変えなければならない。

→病気になってから治すよりも、そもそも病気にならない方がはるかに良いのでは?

→そのためには各々が健康に気をつけることが重要だが、人間は基本的に将来的に払わなければならないコストの計算が苦手。

→自分の健康をモニタリングすれば、健康の管理ができるようになる。

→みんなアップルウォッチを使うべきということなのですが、

 

今回はこの前置きのところの、医療費が上がり続けているというところにフォーカスしたいと思います。

親族の話で、昨年糖尿病が悪化して人工透析が必要な身体になってしまった人がいました。

その人は週3回、全身の血を入れ替えることになります。これを死ぬまで繰り返します。

糖尿病はそれ単体だけでなく、合併症を引き起こしやすいという点で非常に恐ろしい病気です。

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透析患者数の推移

出典:https://docs.jsdt.or.jp/overview/file/2017/pdf/2.pdf

上記の図を見ると、1982年以降透析患者数は増加し続け、直近では30万人を超えています。年齢分布を見るとやはり高齢者が多く、60歳以上の割合が過半数を占めています。わずかですが若年層でも透析患者がいるというのは驚きです。

 

人工透析の一回あたりの月額コストはおよそ40万円と言われていますので、

一人当たりの年間コストは480万円です。

この費用は医療保険地方自治体の給付金の組み合わせにより、自己負担は最高1万円ほどになるため、実質ほぼ全額行政が負担することになります。

上記のグラフから人工透析の患者数はおよそ30万人ほどであるため、480万円x30万人=1兆4400億円になります。

日本の医療費は40兆円ほどなので、日本の全医療費の3.6%は人工透析が占めることになります。

 

3.6%というとまだまだ取るに足らない数字と思われるかもしれませんが、糖尿病の合併症は多岐に渡るので、糖尿病から派生する病気全体で見ると、注ぎ込まれる医療費はもう1桁増えるのではないかと思われます。

 

 このことから、病気はいったん発症してしまうと莫大な医療費がかかってしまうので、病気になる前に治す=病気を治す技術よりも健康的に過ごして予防する方が経済的ということになります。

国もそういう方向性を示さなかったばかりに、お医者さん側としてもどんどん増え続ける患者を見切れなくなって過重労働、自殺という悪循環に陥っています。

そもそもかゆいところに手が届くような商品が発売されたとしても、結局のところその場しのぎの応急処置に留まるもので、大元の問題が解決してなくない?というケースが多いです。

飲み好きの医師が教える上手に飲む方法とか指南されているけれども、健康のためにはそもそも飲まないことが一番なのでは?そこの解決をほったらかしにしても意味がないのでは?と思ってしまいます。

 

上の世代の人、とりわけバブル経済を経験した人は、絶頂期は今では考えられない生活をしていたらしい。毎日飲みまくって朝までディスコで踊ってそのまま出社して仕事ということを繰り返していたらしい。そら糖尿病にもなるわなと。

 

まあシニア世代だけでなく、社内飲みで、接待で、友達と、何かと理由をつけて飲みにいく人は実際多いです。

以前物件探しにいったときに担当の人は飲みにいくことが唯一の趣味で、飲みまくった結果激太りし、30代で糖尿病を発症したと言っていました。

ぼくはこういう人たちが健康を害するまで飲み続けた挙句病気になり、ぼくは風邪で年1回内科にかかるかどうかというくらいなのに、

連帯責任で年々高くなっていく医療費をみんなで平等に負担させられるんだなあとひどく荒んだ気持ちになりました。

社会人なら誰もが感じる、あの無駄な社内飲み、やめてくれないかなーっていつも思います。「給料からめっちゃ天引きされてるわー」って、それあんたらがアホみたいに飲んでることが遠因になってるねんでと言いたいです。

 

全国のフィットネスジムを国営にして無償開放したら医療費抑制に一役買うのではと思いますが、この案はあまり現実的ではありません。

ぼくの肌感としていまの30歳くらいから下の世代はお酒を飲まない人が多くなってきています。最近の大学のサークルの新歓コンパも居酒屋ではなく、カフェでやるそうです。

若手の社会人も、下戸の人はもちろん、飲める人も自分のオフタイムを大切にし社内飲みには消極的という人が多いです。

エニータイムとか暗闇フィットネスなどが浸透し、ジムに通う人も増えているので、

長い目で見ると生活習慣病になる人は減っていき、医療費も減少に転じる時が来るのかなと思います。

現状、1990年と比較して医療費は2倍になってるんですけどね(ヤバい)。