令和時代の成功者の見分け方
オールドな日本人の世代ではサラリーマンの男性がどれだけ偉いかをある程度の確度で見極める方法がある。
「肌が黒いほど偉い可能性が高い」のだ。地黒な人は横に置いておいて、ゴルフをたくさんする人というのはそれだけ社内外の要人と接点がたくさんあるので、偉くなっていく、というのが自分で編み出した、一寸先は闇の不確かな世を渡っていくための処世術の一つである。
現在働いている弊社は伝統的なメーカーなので、ときたまベトナムにやってくる本社の役員の皆様方もまあ例に漏れず日に焼けた方ばかりである。同時にたくさん来客が来た場合は、黒い人から順に名刺を渡していけばまあ間違いがない。
ところが、それも50代くらいまでしか通じないだろうと思う。もちろんどの世代にもゴルフが好きな人はいて、そうした人は組織内でも出世していくだろうが、その割合は徐々に減っていくと思う。
若者のゴルフ離れの傾向は以前から報道されているが、これからも増えることはないと思われる。なんといってもお金がかかりすぎる。第二に休日がまるごと潰れてしまう。日もまだ昇らない早朝から遠くまで出かけて、コースの後に飲み会もセットなのでその次の日も身体が使い物にならなくなる。
お酒でさえも敬遠されつつある今の20代の世代には役満といっていいほどのネガティブな要素な詰まっている。
そこまでの対価を払ってまでゴルフをしようという人はこれから減っていくことは想像に難くない。
平成までの時代は、日に焼けた人を見れば成功している人を見分けることができた、ある意味簡単な時代だったわけだが、
令和の時代はどういう風に変わっていくのだろうか。これに答えることはとても難しい。
ただ一つ言えることは、成功者になる方法がそれまでの時代のものとはガラリと変わっているということ。
従来の成功者像というのは、スポーツマン、体育会、トップダウン、飲み会、ゴルフといったワードに代表されるような、上司に気を遣い、理不尽に耐え、様々な制約下で結果を出し続けてきた人間が挙げられる。
翻って、最近話題になっている成功者を見てみるとどうだろう。
ネットショップ運営で上場を果たしたBASEの鶴岡社長、
同じくネットショップStores.jpを展開するヘイグループ佐藤社長
Youtuberのマナブさん
そして従来型の成功者像として最も近いのが現サントリーHD新浪社長。
やはり黒いですね。見るからに体育会っぽいですし。知らんけど。
若い起業家を見ていて思うのは、プログラマー出身で事業を一気に成長させて金持ちになった人が多い。プログラムを組むのは何歳からでもできるので10代でもとんでもないプログラミング能力を持った人もいる。
とはいえプログラミングに打ち込む人というのは傾向として内気な人が多め。結果として上の3人のような人が多くなる。この人たちおそらくゴルフという多大な時間を費消する趣味はないだろう。
これからの成功者の見た目というのは、どんどん普通の人っぽく近づいていくと考えている。ぱっと見ではそれと気づかない。日に焼けた精悍な見た目というのはそれだけでただならぬ雰囲気を醸し出すものだが、今の世の中では成功するために必要な素養が変わってきていると感じる。
どちらがよいかという問題ではなく、事実として新浪社長のような人は少数派になってきていて、それどころか伝統的なメーカーの中でもゴルフや接待を嫌う人は多くなってきている。
じゃあ見た目で判断できなくなっていくなら、何が人を分けるんだろうか。それはたぶん情熱かなと思っている。あることが好きで好きでたまらなくて、他人からの視線も、時間が過ぎるのも忘れてひたすら没頭していられます!みたいな人はどんな分野でも成功していくのだと思う。知らんけど。