かもがわ総研

ベトナムでもがく中間管理職です。営業、マーケ、法務、採用なんでもやってます。

商社とメーカーの忙しさの違い

商社からメーカーに来て、特に変わったこと。

それは仕入れサイドの仕事をやらなくてよくなったこと

商社のトレーディング部門では営業がだいたいの仕事を担当する。というか営業部という部門がなくて、「金属部門」とか「化学品第一本部」など商材で括っているので、その商材に関わる営業、仕入れ、マーケティング、物流、法務などをまとめて担当する。

商社にいるときはこの仕入れ業務がなかなか大変だった。買いたいと言えばどこでもホイホイ売ってくれると思っていたのだが、ロットが小さいと相手にもしてもらえなくて、売るよりも仕入れることの方に苦戦することが多かった。

 

翻って、今のメーカーではマーケサイドの仕事の比重がぐっと上がった。たくさんの製品を扱っているので、そのそれぞれの販売動向をつぶさに追いかけていくことがメインの仕事になっている。

あとは管理サイドの仕事として、やや複雑なスキームの仕事をローカルに任せていくためには言葉だけの説明で理解させることが難しく、パワポで矢印やグラフで図示してあげると理解度が上がるようなので、少し手間ではあるがパワポを使用して業務移管をすることもある。(まあこれはメーカー特有というものでもないが。。)

加えて現法なので、日本や他現法からやってくるゲストに対してベトナムならではのビジネスの説明をパワポで行うことも多いので、エクセルとパワポの作業量が顕著に増えた。

加えて、現在の会社の抱える顧客は素晴らしい会社ばかりのため、支払い遅延もほとんど起こらない。支払い条件で揉めることもほぼない。日本本社同士で取り交わしている支払い条件に準拠するためこちらで検討する事項がないためでもあるが。

エンドユーザーの設計段階でスペックインしてもらえることの有り難さを痛切に感じている。スペックインされていればその製品を使用せざるを得ないため強気に値下げを要望することも難しい。

反対にスペックインできていなければ、競合他社との比較になるため価格競争に巻きこれることを意味し、利益も目減りしてしまう。

 

仕入れはないと言ったが、工場サイドとのやりとりは必要だ。標準より短い納期で注文が来た場合などはあの手この手を駆使してなんとか間に合わせなければならない。

とはいえ、外部サプライヤーではなく社内の身内ということだけでだいぶ気軽に話せるものである。

商社であれば、ある商材で利益が厳しくなった場合は別の商材を探してきてVA提案ということにすればよいのだが、メーカーの場合はそうはいかない。その商材を安く作るために多額の投資をして工場や生産ラインを作っているから、はいじゃあ別の商材でいきまーすなどとは言えない。

そういう意味では、メーカーの営業は工場で働く人たちの生活も背負って戦略を描いて売り続けなければならないとも言うことができると思う。どちらも一長一短ではある。